『不思議の国のアリス』の驚きのお茶会
誰もが知っているティータイムをひとつ選ぶとしたら、それは『不思議の国のアリス』の奇妙なお茶会でしょう。文学と映画の伝説のティータイムシリーズを始めるに当たって、この陽気で不条理なシーンが選ばれたのは自然なことですが、そこには数々の忘れられがちな秘密が隠されています…
出てこないお茶 !
いかれ帽子屋と三月ウサギが、木陰で眠りネズミにゆったりと寄りかかってお茶会を開いています。アリスが一緒に座ろうとすると、彼らは一斉に叫びます。「満席 ! 満席 !」テーブルには汚れたカップがうず高く積まれていますが、椅子が足りないわけではありません。文句を無視して、招待されていないアリスは席に着きます。しかし、楽しい会話を楽しみながら美味しいお茶が飲めるのでは、という彼女の期待はすぐに打ち砕かれます。三月ウサギはどこにもないワインを彼女にすすめ、いかれ帽子屋は自分にも答えのわからない謎解き (「カラスと書き物机が似ているのはなぜだ」) をもちかけ、眠りネズミは眠たくなるほど退屈な話を語ります。3人のあまりの妄言と脱線に散々悩まされた挙げ句に、結局アリスは一滴のお茶も飲むことができません。まさかこんなティータイムになるとは、彼女も想像していなかったでしょう !
永遠のお茶会
愚かな会話と客にうんざりして、ついにアリスは席を立つことにします。いかれ帽子屋、三月ウサギ、眠りネズミは、彼女がいなくなったことにさえ気付かず、お茶を飲み続けます。この恐るべき3人組は、3月の午後6時からずっとここで永遠に終わらないお茶会を続けているのです。時計は止まっているのに、お茶会の客は汚れていないカップを求めて、果てしなく無意味な席替えをしながら時間を過ごすふりを続けます。アリスのお茶会は終わりのない繰り返しで、とても複雑なルールがあるのです。でも、子どもたちにとっては、実際の「五時のお茶」の体系化された儀式が既に驚きに違いないでしょうから、その視点から見ればさほど不条理なものではないのかもしれません。
インスピレーション溢れるメアリー・ブレアのコンセプトアート
湯気の立つティーポットが並ぶテーブル、暗い背景に鮮やかな色がきらめく映像。このシーンは、ディズニーの長編アニメーションのおかげで集団記憶に刻み込まれました。この非現実な世界は、アーティストのメアリー・ブレアの作品です。映画、アニメ、コミックやビデオゲームが出る前に描かれたイラストが、作品全体のトーンを決定するのに使用されたのです。彼女の独特のコンセプトアートは、最も忘れがたいティータイムに命を吹き込みました。
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