『華麗なるギャツビー』の豪華なティータイム
3回目となる伝説のティータイムシリーズは、『華麗なるギャツビー』の象徴的な荒れ模様の空で始まります。ジェイ・ギャッツビーが幼なじみの恋人デイジーに最後に会ってから、ほぼ5年の歳月が経ちました。自分の財産を築き上げた主人公は、その努力に見合うだけの贅沢さと最高の豪華さをもって彼女を取り戻すことを心に誓います。
ティータイムの再会
デイジーの従兄であるニックは、彼の友人兼隣人であるジェイ・ギャッツビーのために、お茶会を開いて仲を取り持つことを了承します。この取り決めには、リビングルームへの何千という花の配達や、レモンケーキを監視することも含まれています。億万長者は、ほとんど病的な神経質さで手を貸さずにはいられないのです。外では土砂降りの雨が降り始め、時計は午後4時を告げます。そこに待ち構えているサプライズのことなど何も知らないデイジーが到着。ちょっと寄ってみたというふりをしながら、雨に濡れてすっかり落ち着きを失ったギャッツビーもすぐに姿を現します。沈黙の中で彼らは再会し、準備したお茶は居心地の悪い雰囲気を少しも和ませてはくれません。彼らを二人きりにするため、言い訳を作って霧の立ち込めた庭へと出て行くニック。ニックが戻って来たとき、恋人たちは幸せそうに光り輝いています。最初は居心地の悪かったティータイムが、最終的に昔の恋人たちを仲直りさせたのです !
失われた時を取り戻す
神経質なきまり悪さの中、ギャッツビーは暖炉の壊れた時計を叩き落としそうになります。ぎこちない感情の現れというだけでなく、この出来事には様々な解釈が付されています。この唐突な行動は、過去に遡って失われた時を取り戻そうとする不器用な試みだという見方もあります。しかし大方は、デイジーに再会するという夢を実現したギャッツビーが過ぎ去った幻想に幻滅してとった行動と見ています。
悪魔はディテールに宿る : バズ・ラーマンの目からみたギャッツビーのティータイム
バズ・ラーマンが作り上げた映画版の贅沢なティータイムを記憶している方は多いことでしょう。ペールグリーン、アイボリー、そしてクリーム色の蘭の花で溢れ返った部屋で、ニックは華麗なティファニーのアールデコのティーセットでゲストにサーブします。ディテールが大切 ! この非常に高価な花の選択は、ギャッツビーの富とその誘惑の仕方を完璧に体現したものです。この映画の見事な宝石をデザインしたアメリカの宝石職人は、映画の舞台に設定されている1920年代のアメリカでとりわけ名声を誇りました。こうしたディテールとその他の要素が、『華麗なるギャッツビー』のティータイムにさらに過剰でシックな魅力を与えているのです。
映画の世界で繰り広げられるミステリアスなティータイムは、その他の記事でもご紹介しております。「メリー・ポピンズ、お空でティータイム」、そして「『不思議の国のアリス』の驚きのお茶会」も是非ご覧ください!